消費者の役割とは、「消費者は食品に関する全ての情報を知る権利があり、メディアはその権利を擁護する」ということを述べることではない。即ち消費者の役割とは、無制限に権利を主張することではないのである。そもそも、「役割」を通じて人々の行為を規制しているのが社会なのであり、制限なき権利の主張という行為は社会の破壊的行為である以上、それが一つの社会的な「役割」として成立するはずはないからである。私たちは、消費者の役割を考える際、常に呼び出されるこの権利の主張と、その権利擁護論を前にして、では何を通じて消費者の行為を規制するのかを考えることこそが、消費者に与えられている重要な役割であることを認識すべきであろう。
この社会に存在している識者や団体、またメディアが持論を展開するためにこれまで利用し続けている「消費者」というカテゴリーと、そしてこの「消費者の代弁行為」の中身について、夫々の消費者が自主的に精査をし思考をすること。また、自らの「役割」が何かを認識せず、只管「権利」のみを主張し、制限なき言論行為を展開させることに対して批判を行う義務があることを今一度認識すること。この二項目が現在の消費者に与えられている喫緊の役割である。
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