2009年4月1日 星期三

「基準値」論争は何を語ったか:「メラミン汚染」報道から考える(下)



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   昨年10月1日、台湾衛生署が食品に残留するメラミンに対し、定量限界(0.05ppm・LS/MS/MS)
実質的な「基準値」としてから間もなく、「100%安全・安心」を謳い、そして「国際的に一致する厳格な品質管理」を主張するネスレ(Nestle)は、この「基準」を不服として:「台湾が採用しているメラミンの限界値とは、最大で国際的に公認されている数値の五十倍の厳しさである」という声明を出しました。下編では、この「0.05ppmの五十倍」という数値が何を指しているのかを考えつつ、実定法を至上の根拠にする認識者にとって、2.5ppmという数値がいかに「有意義」な数値であったのかを炙り出してゆきます
   私たちが、雀巢(ネスレによって謳われた「100%安全・安心」、即ちゼロリスクの公告を前にして考えるべきことは、大量の原料確保を必要とする巨大な「グローバル企業」が、どういう理由によって、「100%」という概念から「メラミン問題」を再認識したのかということです。仮に、台湾雀巢の出した該公告に(識者が指摘するような)「ゼロリスク」を求めるとされる受信者、即ち「消費者(大衆)」の存在が想定されていたとするならば、ではなぜ該社は衛生署が「未検出」を設定した9月26日には「100%」の公告を打ち止めにし、(「消費者」には直接係わりのない)「2.5ppm」という数値に固執したのでしょうか。換言すると、もしこの「2.5ppm」が、安全・安心であることと、製品の安全・安心とが「科学的に一致」する「国際的な公認」であるならば、では何故、26日以降も「100%安全・安心」を主張し続けなかったのでしょうか。更に思えば、「2.5ppm」を対象とする概念は、「ヒト(当然、「乳幼児」を含む)」であり、「消費者」ではなかったはずです。だとすれば、この「2.5ppm」というシナリオの意味を紐解くためにも、26日に「2.5ppm」を拒否した台湾の衛生署が、果たして「消費者(大衆)」の抱く感情的な「ゼロリスク」へ迎合したといえるのかが検証されなくてはならないはずです。


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