2011年3月4日 星期五

『油症問題の同時代史的考察』の連載が始まります



本文のダウンロード(2月1日号掲載・第一回)



       「油症問題」とは、主として1968年に日本で発生したカネミ油症事件と、その約十年後の台湾で発生する「類似」事件の被害者とその家族及び次世代に対する認知の状況を指すカテゴリーです。


さて、日本のカネミ油症事件を「知る」人の多くは、台湾でも日本と同様のPCB中毒事件が起きていたことを、ここにはじめて「知った」ことでしょう。しかし、この「知る」ことに辿り着く経緯が、これから本論を構成してゆくファクターなのです。「知る」という語の意味は多義的ですが、それが情報のいわば量的関心を指す場合、わたしたちは対象を「検索」して、画面や紙上に現れた説明書きを読み、そこに何らかの理解を示しています。例えば「カネミ油症」、と入力すればそれで知識が増えるといった具合に・・・。つまり量的関心の対象は「予め」誰かによって他のことばに言い換えられた語なのです。


これから数回に渡って、この「台湾油症」の語意がどのようにして与えられるのか、というプリミティブな問題を考えてゆきます。台湾で発生した事件の「類似」性は、日本では通常、カネミ油症事件「から」認識されます。本論を通じて、その認識自体にわたしたちは量的な関心としてでなく、まず質的なことを問う必要があることを「知る」必要があります。なぜなら、前認識への検証なくして認識の当否は定まらないからです。

   本論稿は、「自治・ひと・くらし」について考える市民の交流誌『月刊むすぶ』(No.481~)
に連載されます。ご購読は下記まで:



京都市東山区泉湧寺五葉ノ辻町28 

ロシナンテ社 

電話:075-533-7062

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