2008年12月9日 星期二

台湾産ウーロン茶の「残留農薬基準違反」とは何か?

 


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    食品中の残留農薬に対する関心が高まる中、新聞で「残留農薬、輸入食品の違反8倍、新制度導入から1年」という見出しの報道が為されました。その主な内容は、昨年5月より一定限度の残留禁止農薬を明示したネガティブリストに替わり、使用可農薬を明記したポジティブリスト制が実施されてから、違反件数は前年同月比で8.4倍に増加したというもので、報道では更に、残留農薬基準違反が見つかった主な輸入食品として、養殖うなぎ(中国産、台湾産)、ウーロン茶(中国産、台湾産)、乾燥きくらげ(中国産)等を併記しています。本稿の主旨は、この種の報道で必ず言及される「残留農薬基準違反」というコトバによって想起される「モラル格差」のイメージ──即ち、国産品は安心で輸入食品は危険であるという疑念を、その「主な輸入食品」というカテゴリーに「昇格した」台湾産ウーロン茶に焦点を絞り、生産地の側から基準違反農薬としてのブロモプロピレートに接近し、日本のポジティブリストの基準内容、そして消費者が抱く毒性イメージの曖昧性を省察してみました。



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